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48 チートなレベル上げ

「ふぅ、スッキリした」
 

 一面が穏やかな地となったのを見届けて、一息つく。
 下ではまだエルクとマルクがザクザクと残っている悪魔を退治していた。

 
「イリュージョン」
 

 ポンと表示されたウィンドウを見る。
 なんと、レベルが80にまで上がっていた。

 さすがこの世の悪魔……。すごい速度でレベルが上がった。この爽快感も世の悪魔を一掃したからだろう。

 画面を見て、ふと、見覚えのない称号があるのに気づいた。

【悪魔の化身】

 私はそっと、見なかったことにして画面を閉じた。

 
 再びエルクたちを見る。
 噛み付こうとしている蛇をヒラリと交わし、勢いを殺せず突っ込む蛇を逆に斬りつけている。

 レベルは確かに上がったけれど、身についている技能は雲泥の差ね。エルクとマルクの剣さばきと、私のお粗末な剣技では、いくらレベルがあっても死んでしまいそう。

 まあ、当然ね。あの剣さばきは、エルクたちが生きてきた証だもの。そう簡単に身につけられるほうがどうかしている。
 
 それにしても、スキル使いすぎたからか、眠い。

 少しだけ、少しだけ……。

「アメリア、アメリア!」
 

 遠くから呼びかけられている気がして目が覚める。
 と、そこで眠ってしまっていたことに気づく。

 まずいっ、ここはどこ!?

 ハッとして辺りを見て、宙に浮かんでいることに驚いて、やがて冷静になる。
 あのまま、眠ってしまったらしい。
 でも、この結界……寝てても効果切れないって、反則的な気がする……。

 自分の力ながらゾッとした。

 
「アメリア! 起きたか? 帰るぞ」
 

 いつの間にか、日が暮れていた。よく見えないけれど、悪の使者たちは全滅したの?

 
「下、いる?」

「大丈夫だ、もうほとんどいない」
 

 ほとんどってことは、いるのね。
 黙っていると、早くとせかす声が聞こえる。

 でも、待って?

 降りるって、どうやれば……。

 結界を解いた瞬間落下する。間違いないわ。地面との距離は……5メートルはあるかしら……。

 これ、落ちたら死ぬ!?

 オロオロしていると、エルクが両手を広げた。

 
「アメリア! 大丈夫だ、受け止める。安心して降りてこい」

「……」
 

 その言葉を信じて、結界を解いた。

【スキル、結界を解除しました】

 途端に、胃がせり上がるような浮遊感に襲われる。
 落ちてる、落ちてる、落ちてるっ!

 ぎゅうっと硬く目をつむって、すぐ。
 思っていたよりもずっと逞しい腕に受け止められた、気がした。

 
「どこか痛いところはないか?」
 

 声が聞こえて、おそるおそる、目を開ける。

 そして。

 
「いやぁあああ!?」
 

 思いっきり、暴れてその腕から逃れる。
 エルク、顔、何そのゾンビみたいな青い液体っ!

 足を地面につけた瞬間、びちゃっとして、全身がゾワゾワした。

 
「アメリア!?」
 

 待って、待って。
 何その青いのッ!
 まさか、まさか。まさかっ。
 アイツらの、体液ーーーッ!?

 エルクもマルクも、ましてや地面さえも。
 一面が真っ青に染まっていた。
 そっと足を持ち上げると、ねちゃっと、何かがへばりつく。

 ふぅっと、目の前が真っ暗になった。
 

「アメリアっ? アメリア!」

「いいよ、王子。うるさいからそのまま連れて帰ろう」

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